パノラマX線写真における下顎皮質骨厚さへの影響因子

「目的」高齢化社会を迎え様々な疾患に罹患した患者が歯科医院に来院する. 骨粗鬆症も歯科治療に大きく影響を与える疾患の一つである. 骨粗鬆症の診断はもっぱらX線検査によるが, 一般的なのは二重エネルギーX腺吸収法(DXA法), 定量的CT法(QCT法), X線写真濃度測定法(MD法)など, 四肢や体幹の骨を対象としたものである. 骨粗鬆症のスクリーニングは, インプラント治療や歯周病において重要とされるが, 専用のX腺装置を必要とする上記の検査を一般歯科臨床に導入するのは困難である. 近年, パノラマX線像における下顎骨下縁の皮質骨の所見から骨粗鬆症の可能性をスクリーニングする方法が注目されてい...

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Bibliographic Details
Published inShika Hoshasen Vol. 55; no. 1; pp. 51 - 59
Main Authors 勝又, 明敏, 福井, 達真, 藤原, 周
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 2015
日本歯科放射線学会
Japanese Society for Oral and Maxillofacial Radiology
Subjects
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ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology.55.51

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Summary:「目的」高齢化社会を迎え様々な疾患に罹患した患者が歯科医院に来院する. 骨粗鬆症も歯科治療に大きく影響を与える疾患の一つである. 骨粗鬆症の診断はもっぱらX線検査によるが, 一般的なのは二重エネルギーX腺吸収法(DXA法), 定量的CT法(QCT法), X線写真濃度測定法(MD法)など, 四肢や体幹の骨を対象としたものである. 骨粗鬆症のスクリーニングは, インプラント治療や歯周病において重要とされるが, 専用のX腺装置を必要とする上記の検査を一般歯科臨床に導入するのは困難である. 近年, パノラマX線像における下顎骨下縁の皮質骨の所見から骨粗鬆症の可能性をスクリーニングする方法が注目されている. 骨粗鬆症患者のパノラマX線像では, 下顎骨下縁の骨皮質が薄く粗造となることに基づく方法で, 注意深く観察すれば80%を越える高い感度(sensitivity)が得られるとされている.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology.55.51