卵胞期におけるリラクセーションを目的とした呼吸法とその生理心理的効果

「はじめに」ストレス社会といわれる現代において人々が健康に過ごすためには, ストレス対処能力を身につけ日常生活の中で有効なリラクセーションを取り入れることが重要な課題である. リラクセーシヨン技法は, 自律訓練法, 漸進的筋弛緩法など系統的なものがいくつかある. その中で我々は呼吸法に注目してきた. 呼吸法の長所は, 呼気を長くするという単純な行動でセフルコントロールが容易なことであり, わが国では手軽な心身の健康増進法として代替補完療法の分野でも注目されている. 代替補完療法は, 一般に人間を全体としてとらえ全体的な健康に焦点をあてるホリスティックなアプローチである1,2). 呼吸法を始めと...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 11 - 17
Main Authors 斎藤, 真, 村本, 淳子, 大平, 肇子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2007
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.12.1_11

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Summary:「はじめに」ストレス社会といわれる現代において人々が健康に過ごすためには, ストレス対処能力を身につけ日常生活の中で有効なリラクセーションを取り入れることが重要な課題である. リラクセーシヨン技法は, 自律訓練法, 漸進的筋弛緩法など系統的なものがいくつかある. その中で我々は呼吸法に注目してきた. 呼吸法の長所は, 呼気を長くするという単純な行動でセフルコントロールが容易なことであり, わが国では手軽な心身の健康増進法として代替補完療法の分野でも注目されている. 代替補完療法は, 一般に人間を全体としてとらえ全体的な健康に焦点をあてるホリスティックなアプローチである1,2). 呼吸法を始めとするリラクセーシヨン技法の効果は血圧, 脳波, 心拍変動, 皮膚温などの生理指標を用いた研究から報告されている3-7). 我々も心拍変動を用い, 正常な月経周期を有する女性における呼吸法の効果を検討し, 卵胞期はリラクセーション効果が認められるが, 黄体期はその効果が得られにくいことを明らかにしている8).
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.12.1_11