小学校高学年児童および中学生版自己像の不安定性尺度の作成

「問題と目的」自己像とは, 自己を客体視するときに浮上する自己に対する像であり, その自己像が体制化されて体系的に統合されたものが自己概念である (榎本, 2013). 自己像の不安定性 (Rosenberg, 1965) とは自己像が安定せず, 変動しやすい (揺れやすい) ことである. Rosenberg (1965) は, 自己像が変動しやすい人は自分を否定的に捉えているが, それは絶対的ではなく, あいまいで, 一貫して自己非難的ではないという特徴をもつと指摘している. 小学校高学年児童と中学生を対象にした縦断研究で, 自己像が不安定であるほど, いじめを受けやすいことが示唆されており...

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Bibliographic Details
Published inパーソナリティ研究 Vol. 29; no. 3; pp. 159 - 161
Main Authors 原田, 宗忠, 黒川, 雅幸, 中井, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 01.03.2021
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ISSN1348-8406
1349-6174
DOI10.2132/personality.29.3.7

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Summary:「問題と目的」自己像とは, 自己を客体視するときに浮上する自己に対する像であり, その自己像が体制化されて体系的に統合されたものが自己概念である (榎本, 2013). 自己像の不安定性 (Rosenberg, 1965) とは自己像が安定せず, 変動しやすい (揺れやすい) ことである. Rosenberg (1965) は, 自己像が変動しやすい人は自分を否定的に捉えているが, それは絶対的ではなく, あいまいで, 一貫して自己非難的ではないという特徴をもつと指摘している. 小学校高学年児童と中学生を対象にした縦断研究で, 自己像が不安定であるほど, いじめを受けやすいことが示唆されており (原田・中井・黒川, 2020), 子どもの自己像の不安定性をみることは重要であると考えられる. 自己像の不安定性については, 大学生を対象として用いられた尺度はあるものの (小塩, 2001), 児童・生徒向けの尺度は開発されてこなかった.
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.29.3.7