Web調査による定期歯科受診の要因 : 受診者と歯科医院の特性
本調査では,定期歯科受診の要因のうち,特に歯科医院側の姿勢が患者に与える影響に着目し,「定期受診者が通院する歯科医院と,非定期受診者が通院する歯科医院とでは,患者の目線からみた特徴の違いがある」という仮説の検証を行った.対象者はWeb調査会社のモニタに予備調査を実施して選ばれた定期受診群1,030名と非定期受診群1,030名(各群ともに20〜60歳代の男女各103名)である.質問内容は,対象者の保健行動と通院する歯科医院の特徴(19項目)で,これに個人属性を用いて定期受診者と非定期受診者における分布の違いをクロス集計にて比較した後,まず説明変数として個人属性と保健行動のみを用いてロジスティック...
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| Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 62; no. 4; pp. 365 - 375 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
30.07.2012
日本口腔衛生学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI | 10.5834/jdh.62.4_365 |
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| Summary: | 本調査では,定期歯科受診の要因のうち,特に歯科医院側の姿勢が患者に与える影響に着目し,「定期受診者が通院する歯科医院と,非定期受診者が通院する歯科医院とでは,患者の目線からみた特徴の違いがある」という仮説の検証を行った.対象者はWeb調査会社のモニタに予備調査を実施して選ばれた定期受診群1,030名と非定期受診群1,030名(各群ともに20〜60歳代の男女各103名)である.質問内容は,対象者の保健行動と通院する歯科医院の特徴(19項目)で,これに個人属性を用いて定期受診者と非定期受診者における分布の違いをクロス集計にて比較した後,まず説明変数として個人属性と保健行動のみを用いてロジスティック回帰分析を行った.さらに,このモデルに歯科医院特性に関する質問項目を一つずつ交互に投入してロジスティック回帰分析を行った. 個人属性と保健行動については,定期受診者では男女とも身近な定期受診者が存在している割合が高いことがロジスティック回帰分析により示された.歯科医院の特性については多くの項目で有意性が示され,環境面,歯科医師・歯科衛生士とのコミュニケーション,診療内容において定期受診者の通院する歯科医院と非定期受診者が通院する歯科医院では明瞭な差が認められた.すなわち,定期歯科受診に関する行動変容には歯科医院側の姿勢が大きいこと,また,それが身近な人たちから他者に伝わることが示唆された. |
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| ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI: | 10.5834/jdh.62.4_365 |