COVID-19拡大における臨地実習指導者が考えた双方向ビデオ実習の取り組みの実際

本研究は、臨地実習指導者(以下、指導者とする)が、看護大学生(以下、学生とする)と臨地実習中に受け持った子ども(以下、受持ち児とする)がCOVID-19拡大前の実習に近い経験が少しでもできるようなビデオカメラの映像を活用した双方向ビデオ実習を考案した。この双方向ビデオ実習の取り組みの実際と取り組み後の効果や課題を明らかにすることを目的とし、COVID-19拡大における実習の在り方を検討した。研究対象者は、本実習に関わった指導者3名、1人1回のインタビューを行い、質的記述的に内容分析を行った。結果、3コアカテゴリー、15カテゴリー、35サブカテゴリーが抽出された。双方向ビデオ実習の取り組みに至る...

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Published in日本シミュレーション医療教育学会雑誌 Vol. 11; pp. 62 - 70
Main Authors 中村, 加奈子, 渡辺, まゆみ, 吉村, 裕三恵, 谷口, 初美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション医療教育学会 2023
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ISSN2187-9281
2436-4452
DOI10.50950/jasehp.2023-11-15

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Summary:本研究は、臨地実習指導者(以下、指導者とする)が、看護大学生(以下、学生とする)と臨地実習中に受け持った子ども(以下、受持ち児とする)がCOVID-19拡大前の実習に近い経験が少しでもできるようなビデオカメラの映像を活用した双方向ビデオ実習を考案した。この双方向ビデオ実習の取り組みの実際と取り組み後の効果や課題を明らかにすることを目的とし、COVID-19拡大における実習の在り方を検討した。研究対象者は、本実習に関わった指導者3名、1人1回のインタビューを行い、質的記述的に内容分析を行った。結果、3コアカテゴリー、15カテゴリー、35サブカテゴリーが抽出された。双方向ビデオ実習の取り組みに至るまで、【受持ち児を知ることへの強い念い】を持ち指導者は実習の方法を模索していた。双方向ビデオ実習の準備から実習中は、【受持ち児と学生の不利益にならないような日々の指導】を行い、受持ち児の特徴を計画へ反映できるよう指導し、学生が考えた計画を指導者が代わり、受持ち児に実施していた。実習後、指導者は、学生が個別性を見出し計画立案できていた実感と撮影内容の工夫の必要性に気づくなど【双方向ビデオ実習の成果と課題の発見】を行っていた。これらのことから、双方向ビデオ実習の取り組みは、対面実習のように受持ち児の理解や個別性の看護を見出すことができる方法であり、受持ち児と学生の相互作用も発展することができる方法として有用であると考える。
ISSN:2187-9281
2436-4452
DOI:10.50950/jasehp.2023-11-15