妊娠中に発症した感染性心内膜炎に対して帝王切開術後に僧帽弁置換術を施行した症例

妊娠中の感染性心内膜炎(infective endocarditis: IE)の頻度は0.006%と稀だが,母体死亡率が11~33%,胎児死亡率が14~29%と予後不良である。今回,IEを発症した妊婦に対し,帝王切開術と開心術を二期的に行った症例を経験したので報告する。症例は34歳女性。妊娠38週2日,僧帽弁に10 mmを超える可動性の疣腫を認めた。心不全徴候は無かったため,先行して帝王切開術を施行し7日後に開心術を施行した。ヘパリン使用による胎盤剥離面からの出血を危惧したが問題なかった。妊娠中のIEに対する治療方針を決定する際には,母体と胎児の状態を考慮した手術計画が重要である。...

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Published inCardiovascular Anesthesia Vol. 25; no. 1; pp. 101 - 106
Main Authors 隈元, 泰輔, 山本, 達郎, 平岡, 知江子, 野中, 崇広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会 01.08.2021
日本心臓血管麻酔学会
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ISSN1342-9132
1884-7439
DOI10.11478/jscva.2020-3-024

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Summary:妊娠中の感染性心内膜炎(infective endocarditis: IE)の頻度は0.006%と稀だが,母体死亡率が11~33%,胎児死亡率が14~29%と予後不良である。今回,IEを発症した妊婦に対し,帝王切開術と開心術を二期的に行った症例を経験したので報告する。症例は34歳女性。妊娠38週2日,僧帽弁に10 mmを超える可動性の疣腫を認めた。心不全徴候は無かったため,先行して帝王切開術を施行し7日後に開心術を施行した。ヘパリン使用による胎盤剥離面からの出血を危惧したが問題なかった。妊娠中のIEに対する治療方針を決定する際には,母体と胎児の状態を考慮した手術計画が重要である。
ISSN:1342-9132
1884-7439
DOI:10.11478/jscva.2020-3-024