循環器病予防における職場ストレス対策
I.はじめに 平成13年12月12日に改正された脳・心臓疾患の認定基準は,発症に関与すると考えられる(1)長時間労働の具体的な基準を定めた他,(2)不規則勤務(3)拘束時間の長い勤務(4)出張の多い業務(5)深夜勤務を含む交替制勤務(6)温度・騒音・時差などの物理的作業環境(7)精神的緊張を伴う業務など,労働時間以外の要因についても新しく検討された成果である.この専門検討会では,さらに長時間労働が脳・心臓疾患に影響を及ぼすと考えられる理由として,(1)睡眠時間が不足し疲労の蓄積が生じること,(2)生活時間の中での休憩・休息や余暇活動の時間が制限されること,(3)就労態様による負荷要因における曝...
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Published in | Japanese Journal of Cardiovascular Disease Prevention Vol. 42; no. 1; pp. 10 - 13 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本循環器管理研究協議会
2007
日本循環器管理研究協議会 The Japanese Association for Cerebro-cardiovascular Disease Control |
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ISSN | 1346-6267 |
DOI | 10.11381/jjcdp2001.42.10 |
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Summary: | I.はじめに 平成13年12月12日に改正された脳・心臓疾患の認定基準は,発症に関与すると考えられる(1)長時間労働の具体的な基準を定めた他,(2)不規則勤務(3)拘束時間の長い勤務(4)出張の多い業務(5)深夜勤務を含む交替制勤務(6)温度・騒音・時差などの物理的作業環境(7)精神的緊張を伴う業務など,労働時間以外の要因についても新しく検討された成果である.この専門検討会では,さらに長時間労働が脳・心臓疾患に影響を及ぼすと考えられる理由として,(1)睡眠時間が不足し疲労の蓄積が生じること,(2)生活時間の中での休憩・休息や余暇活動の時間が制限されること,(3)就労態様による負荷要因における曝露時間が長くなること,(4)長時間に及ぶ労働では疲労し低下した心理・生理機能を鼓舞して職務上求められる一定のパフォーマンスを維持する必要性が生じ,これが直接的な負荷要因となることを上げている1).これらの労災認定基準や過労死発症の推定機序は,わが国の職域集団での循環器病予防におけるストレスマネジメントを考える上で,充分に参考となるだけでなく考慮されなければならない要因である. |
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ISSN: | 1346-6267 |
DOI: | 10.11381/jjcdp2001.42.10 |