地域住民を対象とした歯間ブラシの使用に重点をおいた歯周病予防のための健康教育プログラムの効果

本研究の目的は,地域住民を対象にした歯間ブラシの使用に重点をおいた歯周病予防のための健康教育プログラムの効果を評価することである.対象者は,静岡県浜松市西区で行った健康教育プログラムへの参加に同意が得られた地域住民で,健康教室および初回から1年後のフォローアップ調査のいずれにも参加した成人56名(男性15名,女性41名,平均年齢48.8歳)である.健康教室は初回,1ヵ月後,2ヵ月後の計3回実施した.各回の教室および1年後に,質問紙調査と歯周組織の検査を実施した.歯間ブラシの使用に関しては,毎日・時々使用を合わせて,使用者の割合は初回時で55.4%であったのが,1,2ヵ月後は90%以上に増加し,...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 61; no. 1; pp. 13 - 21
Main Authors 高田, 康二, 玉置, 洋, 山口, 敏子, 花田, 信弘, 山崎, 洋治, 湯之上, 志保, 中村, 宗達, 細久保, 和美, 武井, 典子, 石川, 昭, 中安, 美枝子, 野村, 義明, 武儀山, みさき
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 01.01.2011
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.61.1_13

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Summary:本研究の目的は,地域住民を対象にした歯間ブラシの使用に重点をおいた歯周病予防のための健康教育プログラムの効果を評価することである.対象者は,静岡県浜松市西区で行った健康教育プログラムへの参加に同意が得られた地域住民で,健康教室および初回から1年後のフォローアップ調査のいずれにも参加した成人56名(男性15名,女性41名,平均年齢48.8歳)である.健康教室は初回,1ヵ月後,2ヵ月後の計3回実施した.各回の教室および1年後に,質問紙調査と歯周組織の検査を実施した.歯間ブラシの使用に関しては,毎日・時々使用を合わせて,使用者の割合は初回時で55.4%であったのが,1,2ヵ月後は90%以上に増加し,1年後においても87.5%が継続していた.歯周組織の状態に関しては,CPI個人コードは回を追うごとに改善し,いずれの時期においても初回と比べ有意差が認められた.歯周ポケットセクスタント数および歯肉出血セクスタント数は回を追うごとに減少し,1年後にはさらに減少した.分析対象者のうち29名が初回から1年後の間に歯科医療機関で歯石除去を受けていたことから,歯周組織の状態の3指標を歯石除去あり群と群で比較したところ,初回と比較して1年後においては両群とも3指標が同程度改善していた.以上の結果より,地域住民を対象にした歯間ブラシの使用に重点をおいた健康教育プログラムは,歯間ブラシの使用率の向上および歯周病の改善に有効であることが示唆された.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.61.1_13