足首の疼痛を呈した膝窩静脈静脈性血管瘤の1例

膝窩静脈静脈性血管瘤(PVA)は稀な疾患であり,肺塞栓症や血栓後症候群が初発症状であることが多い.膝窩部痛を呈したPVA症例は少数報告されているが,足首の疼痛を呈したPVA症例の報告はない.今回,PVAに関連した足首痛を呈した70歳,女性の症例を経験したので報告する.CTで膝窩静脈末梢側に径25×23 mmのPVAを認めた.手術所見では脛骨神経はPVAと腓腹筋の間で圧排されていた.PVAは径10 mmの小伏在静脈の静脈性血管瘤と共に切除し,小伏在静脈を用いた置換術により血行再建した.術後は抗凝固療法と弾性ストッキングによる圧迫療法を施行した.足首の疼痛は術直後より消失した.術後54カ月後の静脈...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 27; no. 2; pp. 133 - 136
Main Authors 中島, 隆之, 佐藤, 央, 金, 一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2018
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.18-00014

Cover

More Information
Summary:膝窩静脈静脈性血管瘤(PVA)は稀な疾患であり,肺塞栓症や血栓後症候群が初発症状であることが多い.膝窩部痛を呈したPVA症例は少数報告されているが,足首の疼痛を呈したPVA症例の報告はない.今回,PVAに関連した足首痛を呈した70歳,女性の症例を経験したので報告する.CTで膝窩静脈末梢側に径25×23 mmのPVAを認めた.手術所見では脛骨神経はPVAと腓腹筋の間で圧排されていた.PVAは径10 mmの小伏在静脈の静脈性血管瘤と共に切除し,小伏在静脈を用いた置換術により血行再建した.術後は抗凝固療法と弾性ストッキングによる圧迫療法を施行した.足首の疼痛は術直後より消失した.術後54カ月後の静脈造影では膝窩静脈は狭窄なく開存していた.足首の疼痛は膝窩静脈末梢側に発生したPVAに起因するものと考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00014