難治性心室細動で発症し剖検により診断された心サルコイドーシスの1例

病理解剖により心室細動 (ventricular fibrillation ; VF) の原因が心サルコイドーシスと診断された症例を経験した. 症例は, 61歳, 女性. 朝出勤後に職場にて心肺停止状態で発見され救急搬送. 当院到着時は無脈性電気活動であり心肺蘇生が継続されたが難治性VFとなり自己心拍再開まで74分を要した. 集中治療が行われたが多臓器不全のため第3病日に死亡確認, 原因究明のため家族の同意を得て病理解剖を行った. 肉眼的所見では心筋線維化がみられ, 組織所見では類上皮細胞を伴う非乾酪性肉芽腫を認めた. 肺・肝にも同様の病変を認めたことから全身性サルコイドーシスと診断, 難治性...

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Published inShinzo Vol. 45; no. 12; pp. 1558 - 1562
Main Authors 井口, 恵介, 松永, 正紀, 白木, 克典, 水野, 聖子, 仲野, 友康, 柳沼, 和恵, 望月, 優作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.1558

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Summary:病理解剖により心室細動 (ventricular fibrillation ; VF) の原因が心サルコイドーシスと診断された症例を経験した. 症例は, 61歳, 女性. 朝出勤後に職場にて心肺停止状態で発見され救急搬送. 当院到着時は無脈性電気活動であり心肺蘇生が継続されたが難治性VFとなり自己心拍再開まで74分を要した. 集中治療が行われたが多臓器不全のため第3病日に死亡確認, 原因究明のため家族の同意を得て病理解剖を行った. 肉眼的所見では心筋線維化がみられ, 組織所見では類上皮細胞を伴う非乾酪性肉芽腫を認めた. 肺・肝にも同様の病変を認めたことから全身性サルコイドーシスと診断, 難治性VFの原因は心サルコイドーシスによるものと考えられた. 無症状で経過し突然死をきたす症例が報告されており, 治療抵抗性の心室性不整脈の原因として心サルコイドーシスの鑑別が必要である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.1558