分子イメージングを用いた血管炎症の評価

「はじめに」循環器疾患における画像診断は, 病態評価や治療法の選択を行う上で欠くことのできない存在である. 近年, 画像診断法の進歩により超音波法や血管造影法など従来の診断方法に加えてcomputed tomography (CT) やmagnetic resonance imaging (MRI), さらには血管内超音波や血管内視鏡などを用いて動脈病変の形態学的評価のみではなく, 組織性状についても非侵襲的に情報を得ることができるようになってきた. しかしながら, 画像目的が形態イメージングを主とするために病変局所の現象を分子レベルで評価することは困難である. 近年, 病変局所で起こる分子挙...

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Published inShinzo Vol. 47; no. 12; pp. 1462 - 1465
Main Authors 上野, 高史, 戸次, 宗久, 岸本, 慎太郎, 福本, 義弘, 吉本, 裕良, 須田, 憲治, 井形, 幸代, 工藤, 嘉公, 中村, 知久, 杦山, 陽一, 本多, 亮博, 田原, 宣広, 田原, 敦子, 家村, 素史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.1462

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Summary:「はじめに」循環器疾患における画像診断は, 病態評価や治療法の選択を行う上で欠くことのできない存在である. 近年, 画像診断法の進歩により超音波法や血管造影法など従来の診断方法に加えてcomputed tomography (CT) やmagnetic resonance imaging (MRI), さらには血管内超音波や血管内視鏡などを用いて動脈病変の形態学的評価のみではなく, 組織性状についても非侵襲的に情報を得ることができるようになってきた. しかしながら, 画像目的が形態イメージングを主とするために病変局所の現象を分子レベルで評価することは困難である. 近年, 病変局所で起こる分子挙動を非観血的に評価することが可能な高解像度のポジトロン断層撮影 (positron emission tomography ; PET) が分子イメージングとして発展している. 18F標識fluorodeoxyglucose (FDG) をトレーサーとしたPETが炎症病変を描出することが可能なモダリティとして使用され, 循環器領域でも臨床応用されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.1462