アルコール関連遺伝子多型を妥当基準としたエタノールパッチテストの信頼性:季節差や測定者間誤差の視点から
「I. 緒言」 我が国の法律では20歳以上の飲酒が認められており, 飲酒経験が少ない大学生にとっては, 自分がお酒に対して「強い体質」か「弱い体質」であるかを判断しにくい年齢である. そのため, 限度を超えて飲酒していることも多く, 急性アルコール中毒を引き起こす可能性も高い. 一般にお酒に対し「強い」, 「弱い」は遺伝的に決定されている(吉原・笹栗, 2012). 特に日本人はアセトアルデヒドを分解する酵素が他の民族と比べて少なく, お酒に対し弱い体質であることが知られている(Higuchi et al., 1994). 近年, アルコールを代謝する2つの酵素「アルコール脱水素酵素(ADH2...
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| Published in | 体育学研究 Vol. 61; no. 1; pp. 29 - 42 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本体育学会
2016
日本体育学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
| DOI | 10.5432/jjpehss.14083 |
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| Summary: | 「I. 緒言」 我が国の法律では20歳以上の飲酒が認められており, 飲酒経験が少ない大学生にとっては, 自分がお酒に対して「強い体質」か「弱い体質」であるかを判断しにくい年齢である. そのため, 限度を超えて飲酒していることも多く, 急性アルコール中毒を引き起こす可能性も高い. 一般にお酒に対し「強い」, 「弱い」は遺伝的に決定されている(吉原・笹栗, 2012). 特に日本人はアセトアルデヒドを分解する酵素が他の民族と比べて少なく, お酒に対し弱い体質であることが知られている(Higuchi et al., 1994). 近年, アルコールを代謝する2つの酵素「アルコール脱水素酵素(ADH2)」と「アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)」の働きを遺伝子レベルで解析することで, アルコールに対する生体内での分解能を知ることができ, 自身の体質にあったお酒との付き合い方がわかるようになってきた. しかし, 遺伝子解析は手間と費用がかかるため簡単に行うことは出来ず, 簡便な方法とは言えない. |
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| ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
| DOI: | 10.5432/jjpehss.14083 |