日本版アカデミック・ディテーラー養成プログラムとは

「1. はじめに」アカデミック・ディテーリングは医療の質の改善, 特に薬物療法の改善に, 医療者特に医師に対する薬剤師による情報提供の新たなアプローチとその方法論を提案するものである. 海外では, 具体的な処方是正を狙って, アカデミック・ディテーリング・プロジェクトが動いており, 近年では高齢者の処方をアカデミック・ディテーリングにより不適切な処方を減らした報告があり, 医療経済上の成果をあげている. 日本は国民皆保険という患者にとっては恵まれた環境にあるが, 近年, 薬剤費高騰が医療財政を圧迫しつつあり, 社会問題となっている. 日本の薬剤師養成教育は6年制になり10年以上が経過し, 薬剤...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 139; no. 8; pp. 1107 - 1110
Main Authors 尾関, 理恵, 小茂田, 昌代, 真野, 泰成, 根岸, 健一, 後藤, 惠子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.08.2019
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.19-00003-7

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Summary:「1. はじめに」アカデミック・ディテーリングは医療の質の改善, 特に薬物療法の改善に, 医療者特に医師に対する薬剤師による情報提供の新たなアプローチとその方法論を提案するものである. 海外では, 具体的な処方是正を狙って, アカデミック・ディテーリング・プロジェクトが動いており, 近年では高齢者の処方をアカデミック・ディテーリングにより不適切な処方を減らした報告があり, 医療経済上の成果をあげている. 日本は国民皆保険という患者にとっては恵まれた環境にあるが, 近年, 薬剤費高騰が医療財政を圧迫しつつあり, 社会問題となっている. 日本の薬剤師養成教育は6年制になり10年以上が経過し, 薬剤師は在宅や病棟, 外来への進出により, 薬剤師の活躍の場は臨床に広がりつつあるが, 今後はさらに, 薬剤師は薬の専門家として, 患者にとって費用対効果の高い最適な処方を提案し, 医師の処方行動に影響を与える存在になることが求められている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.19-00003-7