腹部大動脈人工血管置換術後非感染性吻合部仮性動脈瘤破裂の1例

人工血管置換術後非感染性吻合部仮性動脈瘤破裂の1例を経験した.症例は65歳,男性.平成16年腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術の既往あり.平成22年9月4日腹痛が出現,増悪のため翌朝当院へ緊急搬送された.CT検査で人工血管置換術後吻合部仮性動脈瘤破裂と診断し,緊急手術を行った.手術は小網を切開し,腹腔動脈分岐直上で大動脈を遮断し,仮性瘤より上方の腎動脈分岐部直下を中枢吻合としたストレートダクロン人工血管による置換術を行い,術後26日目に軽快退院した.人工血管置換術後非感染性吻合部仮性動脈瘤は術早期には稀で,5年以上の年余を経て発生し,破裂例などの重症例の手術成績は極めて不良であることより,初回...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 20; no. 5; pp. 797 - 800
Main Authors 古川, 貢之, 福島, 靖典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2011
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.20.797

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Summary:人工血管置換術後非感染性吻合部仮性動脈瘤破裂の1例を経験した.症例は65歳,男性.平成16年腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術の既往あり.平成22年9月4日腹痛が出現,増悪のため翌朝当院へ緊急搬送された.CT検査で人工血管置換術後吻合部仮性動脈瘤破裂と診断し,緊急手術を行った.手術は小網を切開し,腹腔動脈分岐直上で大動脈を遮断し,仮性瘤より上方の腎動脈分岐部直下を中枢吻合としたストレートダクロン人工血管による置換術を行い,術後26日目に軽快退院した.人工血管置換術後非感染性吻合部仮性動脈瘤は術早期には稀で,5年以上の年余を経て発生し,破裂例などの重症例の手術成績は極めて不良であることより,初回術後より長期にわたる画像診断を含めた定期的観察と破裂以前の手術が肝要である.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20.797