イムノクロマト法を原理とする種々のヒトメタニューモウイルス迅速抗原検出キットの,ウイルス検出感度の比較

ヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus)感染症の診断補助用に現在本邦で市販されているイムノクロマトグラフィーを原理とした迅速抗原検出キット全5製品(プライムチェックhMPV,プロラストhMPV,チェックhMPV,イムノエースhMPV,クイックチェイサーhMPV)について,ウイルス検出感度を比較した。hMPVサブグループA2a,A2b,B1の実験室株各1検体ならびに,PCR法でhMPV陽性を確認した鼻腔吸引液の臨床検体からサブグループA2a,B1,B2陽性検体を1検体ずつの計6種の検体について階段希釈してキットと反応させ,陽性反応が出る最大希釈度を求めた。その結果,...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 66; no. 3; pp. 212 - 216
Main Authors 佐藤, 光, 西村, 秀一, 佐々木, 純一, 大宮, 卓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.05.2017
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.17-45

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Summary:ヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus)感染症の診断補助用に現在本邦で市販されているイムノクロマトグラフィーを原理とした迅速抗原検出キット全5製品(プライムチェックhMPV,プロラストhMPV,チェックhMPV,イムノエースhMPV,クイックチェイサーhMPV)について,ウイルス検出感度を比較した。hMPVサブグループA2a,A2b,B1の実験室株各1検体ならびに,PCR法でhMPV陽性を確認した鼻腔吸引液の臨床検体からサブグループA2a,B1,B2陽性検体を1検体ずつの計6種の検体について階段希釈してキットと反応させ,陽性反応が出る最大希釈度を求めた。その結果,それらは各製品間で異なっており,その差は6種の検体すべてにおいて最大33倍であった。各検体のウイルス遺伝子コピー数濃度を測定し,最小検出感度を検出限界コピー数濃度として表したところ,検体によって106から108コピー/mLの範囲にあった。各キットの成績を全キットの幾何平均値と比較してみたところ,6種の検体すべてに対して,反応を示す最大希釈度が低いキットあるいは高いキットも存在しており,統計学的有意差は証明できなかったものの,製品間でhMPV抗原全般に対する感度性能に差があることが示唆された。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-45