検査室における再発インシデントの特徴

正確で質の高い検査データを提供するため,検査室においてインシデント対策をはじめとするリスクマネジメントを行うことは重要である。インシデントが発生した際,同様のインシデントの再発を防ぐため対策が立てられるが,この対策が機能せず,同様のインシデントが再発することがある。本検討は,検査室において複数回発生した同様のインシデント(再発インシデント)の特徴や対策の問題点を明らかにすることを目的とした。2016年4月までの85ヶ月間に当院検査部で発生したインシデント212件のうち,再発インシデントは83件(39%)であり,その要因は「確認不足」が68%を占めた。単発インシデントの対策(99件)は「やめる」...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 68; no. 1; pp. 7 - 12
Main Authors 二村, 亜子, 有吉, 彩, 湯浅, 典博, 加藤, 秀樹, 牧, 俊哉, 加藤, 敦美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2019
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.18-23

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Summary:正確で質の高い検査データを提供するため,検査室においてインシデント対策をはじめとするリスクマネジメントを行うことは重要である。インシデントが発生した際,同様のインシデントの再発を防ぐため対策が立てられるが,この対策が機能せず,同様のインシデントが再発することがある。本検討は,検査室において複数回発生した同様のインシデント(再発インシデント)の特徴や対策の問題点を明らかにすることを目的とした。2016年4月までの85ヶ月間に当院検査部で発生したインシデント212件のうち,再発インシデントは83件(39%)であり,その要因は「確認不足」が68%を占めた。単発インシデントの対策(99件)は「やめる」,「できないようにする」,「わかりやすくする,やりやすくする」といった検査環境への対策が多かったが,再発インシデントの対策(54件)は「認知・予測させる」,「できる能力をもたせる」,「自分で気づかせる」などの技師自身に行動を促す対策が多かった。再発インシデントを減らすため,「確認不足」が要因のインシデントに対する検査環境への対策を模索することが今後の課題である。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-23