三好論文に対するEditorial Comment—A香港型インフルエンザウイルス (H3N2) による心筋炎

2009年, 40年ぶりに新型インフルエンザA(H1N1)によるパンデミックが発生したのは記憶に新しい. インフルエンザ感染症に続発した心筋炎の合併は古くから知られており, 比較的稀と考えられていたが, このパンデミックにおける直接死因としての心筋炎の合併は198例中13例に認め, その発症は全年齢層に及んだ. 日本ではインフルエンザが疑われた場合の多くは医療機関を受診し, インフルエンザ迅速診断キットによるインフルエンザ感染の診断が行われる. しかし, 迅速診断キットの感度は十分でなく, 心筋炎などを合併したとしても迅速キットが陰性を示す場合もあり得るため, インフルエンザの診断は総合的に行...

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Published inShinzo Vol. 47; no. 2; p. 179
Main Authors 清野, 精彦, 村上, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.179

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Summary:2009年, 40年ぶりに新型インフルエンザA(H1N1)によるパンデミックが発生したのは記憶に新しい. インフルエンザ感染症に続発した心筋炎の合併は古くから知られており, 比較的稀と考えられていたが, このパンデミックにおける直接死因としての心筋炎の合併は198例中13例に認め, その発症は全年齢層に及んだ. 日本ではインフルエンザが疑われた場合の多くは医療機関を受診し, インフルエンザ迅速診断キットによるインフルエンザ感染の診断が行われる. しかし, 迅速診断キットの感度は十分でなく, 心筋炎などを合併したとしても迅速キットが陰性を示す場合もあり得るため, インフルエンザの診断は総合的に行うことが重要と考えられる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.179