末期心不全における多職種協働緩和ケアチームの役割

心不全は, 症状によって分けられるNYHA分類のほかに, 病気の進行度を表すステージ分類があり, AからDに分けられます. ステージAは高血圧などのハイリスク群, ステージBは無症候性の心機能低下で, ここまでは症状のない段階です. ステージCが症候性心不全, ステージDが薬剤抵抗性の難治性心不全で, 末期心不全にあたります. ステージD末期心不全は, 軽度の労作で心不全の症状が出現する, NYHA分類だとIII~IV度の状態です. 治療目標は, 症状コントロールがメインで, QOLの改善や入院回数を減らすこととなります. 通常の薬物治療はすでに行われており, 治療オプションとして, 心移植,...

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Published inShinzo Vol. 49; no. 3; pp. 305 - 308
Main Author 菅野, 康夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.03.2017
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.49.305

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Summary:心不全は, 症状によって分けられるNYHA分類のほかに, 病気の進行度を表すステージ分類があり, AからDに分けられます. ステージAは高血圧などのハイリスク群, ステージBは無症候性の心機能低下で, ここまでは症状のない段階です. ステージCが症候性心不全, ステージDが薬剤抵抗性の難治性心不全で, 末期心不全にあたります. ステージD末期心不全は, 軽度の労作で心不全の症状が出現する, NYHA分類だとIII~IV度の状態です. 治療目標は, 症状コントロールがメインで, QOLの改善や入院回数を減らすこととなります. 通常の薬物治療はすでに行われており, 治療オプションとして, 心移植, 機械的補助, 持続的な強心剤の点滴投与の適応ともなる, 心不全診療の中では最も重症な部類です. 「●末期心不全の特徴」末期心不全の特徴として挙げられるのは, まず増悪と改善を繰り返して徐々に体調やADLが悪化してくることです.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.49.305