尿沈渣中に出現した前立腺原発小細胞癌の1例

前立腺小細胞癌は形態学的および免疫組織学的に特徴的な所見を有する神経内分泌腫瘍である。症例は76歳男性で,前立腺がん診断時にはPSA値が高値を示したが,ホルモン療法後正常値となった。前立腺がん診断から約1年後に尿沈渣中に異型細胞を認めた。尿沈渣で検出した異型細胞は,N/C比大でクロマチンは増量しているが核異型をほとんど認めず鋳型状の細胞結合性を認める細胞であった。異型細胞は,Synaptophysin陽性で前立腺小細胞癌と診断された。前立腺小細胞癌は稀な症例であり特徴的な細胞学的所見を認識することが重要である。...

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Published in医学検査 Vol. 70; no. 4; pp. 778 - 784
Main Authors 溝口, 義浩, 佐谷, 純一, 岩見, 真人, 伏見, 文良, 緒方, 昌倫, 平山, 賢司, 余門, 誠, 渕野, 亮太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2021
日本臨床衛生検査技師会
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.20-128

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Summary:前立腺小細胞癌は形態学的および免疫組織学的に特徴的な所見を有する神経内分泌腫瘍である。症例は76歳男性で,前立腺がん診断時にはPSA値が高値を示したが,ホルモン療法後正常値となった。前立腺がん診断から約1年後に尿沈渣中に異型細胞を認めた。尿沈渣で検出した異型細胞は,N/C比大でクロマチンは増量しているが核異型をほとんど認めず鋳型状の細胞結合性を認める細胞であった。異型細胞は,Synaptophysin陽性で前立腺小細胞癌と診断された。前立腺小細胞癌は稀な症例であり特徴的な細胞学的所見を認識することが重要である。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.20-128