野球の打撃における上肢のエネルギーフロー バット・ヘッドスピードの上位群と下位群のスイング局面の比較
「I 緒言」 野球における打撃の課題は, 投手の投球に対して速い打球を打つこと, 飛距離を出すこと, 狙いとする方向へ正確に打つことに大別される. そのため, 大きな衝撃力と打球の大きな初速度を得るために, 打者はバットのスイング速度を大きくすることが重要であると考えられる. スイング速度を大きくするために求められる動作とは下肢, 体幹によって生み出された運動量をバットに伝えることである. 宮西(2006)は下肢, 腰, 肩の角運動量を算出し, 下肢からバットへ順次運動量が転移していくことを報告している. その他にも田内ほか(2005)や高木ほか(2008)によって, 全身を使ってバットに作用...
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| Published in | 体育学研究 Vol. 64; no. 1; pp. 37 - 48 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本体育学会
17.06.2019
日本体育学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
| DOI | 10.5432/jjpehss.17038 |
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| Summary: | 「I 緒言」 野球における打撃の課題は, 投手の投球に対して速い打球を打つこと, 飛距離を出すこと, 狙いとする方向へ正確に打つことに大別される. そのため, 大きな衝撃力と打球の大きな初速度を得るために, 打者はバットのスイング速度を大きくすることが重要であると考えられる. スイング速度を大きくするために求められる動作とは下肢, 体幹によって生み出された運動量をバットに伝えることである. 宮西(2006)は下肢, 腰, 肩の角運動量を算出し, 下肢からバットへ順次運動量が転移していくことを報告している. その他にも田内ほか(2005)や高木ほか(2008)によって, 全身を使ってバットに作用させるまでの巧みな動作が重要であることが報告されている. 一方で, 浅見(1984)は打撃する位置をどのように作るかにおいて上肢の動きが最も重要な役割を果たすと述べている. バットは両上肢によって保持されるが, その役割は左右において異なるとされている. |
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| ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
| DOI: | 10.5432/jjpehss.17038 |