COVID-19感染拡大下あるいはそれに近似した状況下における小児在宅歯科医療に関するアンケート
はじめに:近年,小児在宅医療の充実が図られ,歯科医療においても在宅療養児への取り組みが行われるようになってきました.在宅療養児の多くは心身に障害や病気を有しており,医療的なケアが必須な状態です.そのため,歯科診療の際には障害に関する専門的知識や技術が必要となります.そこで日本障害者歯科学会診療ガイドライン作成委員会は,日本小児歯科学会の協力のもと,小児在宅歯科医療の手引きを2019年10月に発刊しました1).しかし,その直後の2019年冬から翌年春にかけ,COVID-19感染拡大が始まり,現在にいたるまで世界中が大混乱に陥っています2,3).歯科医療現場でもさまざまな対応4~8)を迫られていま...
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Published in | 日本障害者歯科学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 99 - 109 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本障害者歯科学会
28.02.2021
日本障害者歯科学会 The Japanese Society for Disability and Oral Health |
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ISSN | 0913-1663 2188-9708 |
DOI | 10.14958/jjsdh.42.99 |
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Summary: | はじめに:近年,小児在宅医療の充実が図られ,歯科医療においても在宅療養児への取り組みが行われるようになってきました.在宅療養児の多くは心身に障害や病気を有しており,医療的なケアが必須な状態です.そのため,歯科診療の際には障害に関する専門的知識や技術が必要となります.そこで日本障害者歯科学会診療ガイドライン作成委員会は,日本小児歯科学会の協力のもと,小児在宅歯科医療の手引きを2019年10月に発刊しました1).しかし,その直後の2019年冬から翌年春にかけ,COVID-19感染拡大が始まり,現在にいたるまで世界中が大混乱に陥っています2,3).歯科医療現場でもさまざまな対応4~8)を迫られていますが,それは小児在宅歯科医療の現場でも他なりません9).2020年4月には政府からの緊急事態宣言が発出され,その後,6月には全国的に解除にいたりましたが,いまだ終息の見込みは立たないままとなっています.今後も,さらなる重大局面での対応が迫られる事態も想定されます.また,COVID-19による感染拡大が終息した後にも,将来にわたりこのような事態が起こりうる可能性は高いと考えられます.そこで,COVID-19感染拡大下あるいはそれに近似した状況下における小児在宅歯科医療への対応について,日本障害者歯科学会会員を対象に小児在宅歯科医療における状況・意見についてアンケートを行いました.本調査の結果は,小児在宅歯科医療の手引きの改定版にその内容を反映させていく予定です.また本調査の結果をご参照され,緊急事態時の小児在宅歯科医療について学会員としてどのように対応すべきか,各人の指針の一指標としていただければ幸いです. |
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ISSN: | 0913-1663 2188-9708 |
DOI: | 10.14958/jjsdh.42.99 |