小児看護学実習において看護学生のとらえる子どもとの関係およびその関連要因

本研究の目的は小児看護学実習において看護学生のとらえる子どもとの関係とその関連要因について明らかにすることである。調査票の原案を検討し、因子分析による構成概念妥当性を確認した。その結果、【子どもとの親しさ】と【援助者としての関係の深まり】の2因子が抽出され、Cronbach’s αは0.828~0.878であった。調査票を用いて看護学生のとらえる子どもとの関係を調査した結果、一元配置分散分析と多重比較により【援助者としての関係の深まり】では実習後の〈実施〉と〈達成感〉は実習前の〈必要性〉および〈実施希望〉より有意に低く(p<.001)、【子どもとの親しさ】に有意差はなかった。「子どもが好...

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Published in日本小児看護学会誌 Vol. 32; pp. 1 - 8
Main Authors 横山, 利枝, 本田, 真也, 中島, 登美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児看護学会 2023
日本小児看護学会
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ISSN1344-9923
2423-8457
DOI10.20625/jschn.32_1

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Summary:本研究の目的は小児看護学実習において看護学生のとらえる子どもとの関係とその関連要因について明らかにすることである。調査票の原案を検討し、因子分析による構成概念妥当性を確認した。その結果、【子どもとの親しさ】と【援助者としての関係の深まり】の2因子が抽出され、Cronbach’s αは0.828~0.878であった。調査票を用いて看護学生のとらえる子どもとの関係を調査した結果、一元配置分散分析と多重比較により【援助者としての関係の深まり】では実習後の〈実施〉と〈達成感〉は実習前の〈必要性〉および〈実施希望〉より有意に低く(p<.001)、【子どもとの親しさ】に有意差はなかった。「子どもが好き」は、実習後は実習前より有意に高かった(t=−2.02、p<.05)。実習において学生は子どもに親しみをもち、好感度も高くなるが、援助者として子どもとの関係を深め、達成感を得ることは難しかったと言える。
ISSN:1344-9923
2423-8457
DOI:10.20625/jschn.32_1