HIV/AIDS感染症の現状と展望

HIV感染症は現在においてもまだ完全な治癒の見込めないウイルス感染症であるが, 抗HIV治療薬の開発により, 患者の予後は劇的に改善している. しかしその一方で, 患者・医療従事者双方が疾患の存在について把握していることは少なく, 過去にHIV感染と関連のある症状・疾患の既往があるにもかかわらず見落とされていることが多い. このため, HIV感染が判明したときには, すでに免疫能が著しく低下して日和見感染などを合併した「いきなりエイズ」であることも多い. 本稿では, HIV感染症の機序, HIV抗体検査を行うタイミング, 抗HIV治療の現況, 現在大きな問題となっている長期的な合併症・副作用な...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 115; no. 8; pp. 759 - 766
Main Author 本田, 美和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2012
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.115.759

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Summary:HIV感染症は現在においてもまだ完全な治癒の見込めないウイルス感染症であるが, 抗HIV治療薬の開発により, 患者の予後は劇的に改善している. しかしその一方で, 患者・医療従事者双方が疾患の存在について把握していることは少なく, 過去にHIV感染と関連のある症状・疾患の既往があるにもかかわらず見落とされていることが多い. このため, HIV感染が判明したときには, すでに免疫能が著しく低下して日和見感染などを合併した「いきなりエイズ」であることも多い. 本稿では, HIV感染症の機序, HIV抗体検査を行うタイミング, 抗HIV治療の現況, 現在大きな問題となっている長期的な合併症・副作用などについて, 特に耳鼻科領域の症状・疾患に関して詳述する.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.115.759