触覚系と視覚系における物体再認過程の修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析

[目的]本研究の目的は健常成人において,触知覚および視知覚における物体再認に関する認知プロセスを確認することである。[対象と方法]健常成人13名に対して,触覚情報による語連想課題(以下,触覚課題)および視覚情報による語連想課題(以下,視覚課題)を実施し,3分間呼称数および課題実施後に行った半構造化面接によるインタビュー内容から分析を行った。インビュー内容の分析は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで行った。[結果]課題中の思考に関する認知プロセスについて分類した結果,両課題ともに5つのプロセス【直観的判断】【連想による判断】【記憶想起による判断】【探索的判断】【機能的固着】が生成され,さ...

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Published in理学療法科学 Vol. 24; no. 2; pp. 215 - 220
Main Authors 八坂, 一彦, 八木, 文雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2009
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.24.215

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Summary:[目的]本研究の目的は健常成人において,触知覚および視知覚における物体再認に関する認知プロセスを確認することである。[対象と方法]健常成人13名に対して,触覚情報による語連想課題(以下,触覚課題)および視覚情報による語連想課題(以下,視覚課題)を実施し,3分間呼称数および課題実施後に行った半構造化面接によるインタビュー内容から分析を行った。インビュー内容の分析は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで行った。[結果]課題中の思考に関する認知プロセスについて分類した結果,両課題ともに5つのプロセス【直観的判断】【連想による判断】【記憶想起による判断】【探索的判断】【機能的固着】が生成され,さらに視覚課題において【触覚イメージによる判断】の項目が追加して得られた。[結語]これらのプロセスは,人間の思考形態の一つである類推機能におけるベースの検索および写像において様々な方略を表していることが示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.24.215