大脳半球優位性による色刺激の情動効果の検討
「1 はじめに」茶の官能評価で香りや味と共に, 茶の浸出液も水色と称して色が検討されることからも分かるように, 色は食品への嗜好に影響する重要な要素であり, ヒトの情動にも作用する. こうした色と情動との関連についての基礎研究として, 筆者らは先行研究の結果から, 青などに比べ, 赤は情動的不安や内的注意が促進される可能性を示した. 色の好き嫌いの度合いの違いや, その色の注視によってもたらされる快, 不快などの情動変化がいかに生理測度に反映され, 又は影響するかを明らかにすることも, 色の情動効果を多側面から考察する上で必要であると考えられる. 情動の指標となる生理測度についての研究から,...
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| Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 21; no. 4; pp. 159 - 165 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本生理人類学会
2016
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1342-3215 2432-0986 |
| DOI | 10.20718/jjpa.21.4_159 |
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| Summary: | 「1 はじめに」茶の官能評価で香りや味と共に, 茶の浸出液も水色と称して色が検討されることからも分かるように, 色は食品への嗜好に影響する重要な要素であり, ヒトの情動にも作用する. こうした色と情動との関連についての基礎研究として, 筆者らは先行研究の結果から, 青などに比べ, 赤は情動的不安や内的注意が促進される可能性を示した. 色の好き嫌いの度合いの違いや, その色の注視によってもたらされる快, 不快などの情動変化がいかに生理測度に反映され, 又は影響するかを明らかにすることも, 色の情動効果を多側面から考察する上で必要であると考えられる. 情動の指標となる生理測度についての研究から, Herringtonらは快, 中性, 不快な言語刺激が何色で書かれているかを判断させるタスク遂行時のfMRIデータを分析した. その結果, 快言語刺激時の前頭前野後外側部が活性化し, 右より左側の前頭前野後外側部が活性化すると報告している. |
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| ISSN: | 1342-3215 2432-0986 |
| DOI: | 10.20718/jjpa.21.4_159 |