和歌山県におけるドクターヘリ搬送が脳梗塞患者の血栓溶解療法に与える効果の検討
目的:ドクターヘリ搬送が脳梗塞患者の血栓溶解療法に与える効果を明らかにする。方法:2012年1月から2013年12月における和歌山県ドクターヘリ要請症例で片麻痺・構音障害などの中枢神経症状があり,脳梗塞に対する血栓溶解療法(rt-PA療法)の適応を考慮し要請がなされたと考えられる66例を対象とし,航空搬送が急性期脳梗塞治療に与える影響を後ろ向きに検討した。結果:66例の平均年齢71.7±13.8歳,男性47例(71%)。最終診断は脳梗塞33例,脳出血19例,くも膜下出血2例,その他12例で,うち8例の脳梗塞に対し血栓溶解療法が施行された。発症から血栓溶解療法までの時間は中央値146分,搬送時間...
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          | Published in | 日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 18; no. 3; pp. 485 - 490 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本臨床救急医学会
    
        2015
     日本臨床救急医学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1345-0581 2187-9001  | 
| DOI | 10.11240/jsem.18.485 | 
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| Summary: | 目的:ドクターヘリ搬送が脳梗塞患者の血栓溶解療法に与える効果を明らかにする。方法:2012年1月から2013年12月における和歌山県ドクターヘリ要請症例で片麻痺・構音障害などの中枢神経症状があり,脳梗塞に対する血栓溶解療法(rt-PA療法)の適応を考慮し要請がなされたと考えられる66例を対象とし,航空搬送が急性期脳梗塞治療に与える影響を後ろ向きに検討した。結果:66例の平均年齢71.7±13.8歳,男性47例(71%)。最終診断は脳梗塞33例,脳出血19例,くも膜下出血2例,その他12例で,うち8例の脳梗塞に対し血栓溶解療法が施行された。発症から血栓溶解療法までの時間は中央値146分,搬送時間短縮効果は中央値7分と微小だったが,ドクターヘリ搬送でなければ血栓溶解療法を施行できなかったと考えられた事例が1例あった。結論:ドクターヘリ搬送により脳梗塞患者の搬送時間短縮が得られ,血栓溶解療法実施が可能となる症例は増加するが,その効果は限定的である。 | 
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| ISSN: | 1345-0581 2187-9001  | 
| DOI: | 10.11240/jsem.18.485 |