時系列データ解析による脳血管障害患者の リーチ動作の運動解析

[目的]本研究では,脳血管障害片麻痺患者のリーチ動作を3軸加速度計により測定した。得られた時系列データの解析パラメータと運動機能障害との関連を分析し,それら解析パラメータの臨床評価尺度としての有効性を検討した。[対象]対象者は片麻痺患者19名だった。[方法]椅坐位での麻痺側および非麻痺側の前方リーチ運動の動作解析を行った。[結果]麻痺側リーチ動作は非麻痺側に比べて,線形解析によるRMS値が大きく,自己相関値が小さかった。また,非線形解析による構成次元が小さかった。これらの値は,臨床評価尺度(SIAS,Brunnstrom stage test)と関連があった。片麻痺患者の麻痺側肢リーチ動作は,...

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Published in理学療法科学 Vol. 23; no. 6; pp. 765 - 772
Main Authors 矢島, 大輔, 大城, 昌平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2008
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.23.765

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Summary:[目的]本研究では,脳血管障害片麻痺患者のリーチ動作を3軸加速度計により測定した。得られた時系列データの解析パラメータと運動機能障害との関連を分析し,それら解析パラメータの臨床評価尺度としての有効性を検討した。[対象]対象者は片麻痺患者19名だった。[方法]椅坐位での麻痺側および非麻痺側の前方リーチ運動の動作解析を行った。[結果]麻痺側リーチ動作は非麻痺側に比べて,線形解析によるRMS値が大きく,自己相関値が小さかった。また,非線形解析による構成次元が小さかった。これらの値は,臨床評価尺度(SIAS,Brunnstrom stage test)と関連があった。片麻痺患者の麻痺側肢リーチ動作は,非協調的で,自由度が縮小した運動特徴を示した。[結語]片麻痺患者のリーチ動作の加速度解析パラメータは,客観的な運動機能評価指標として臨床利用できることが示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.23.765