汚泥付着固定化材を用いた染色廃水からの窒素除去

捺染染色廃水には尿素由来の有機態窒素が高濃度で含まれているため、その窒素除去が大きな課題となっている。我々はポリエステル製不織布を固定化担体とした固定化材を開発し、合成染色廃水の連続硝化・脱窒処理試験を行った。終末処理場の汚泥を用いた場合と染色業の廃水処理設備から採取した汚泥を用いた場合では、硝化率はそれぞれ約22%と約55%になったが、20日以上は安定した処理はできなかった。無機態炭素の添加により、硝化率は約62%にアップしたが、25日以上の安定した処理はできなかった。染料や還元防止剤は硝化・脱窒に大きく影響せず、リン源を添加することにより、100日以上の長期間、安定した高い硝化率を維持する...

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Published in日本水処理生物学会誌 Vol. 41; no. 1; pp. 1 - 7
Main Authors 高辻, 渉, 山際, 秀誠, 古川, 憲治, 中岡, 元信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本水処理生物学会 2005
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ISSN0910-6758
1881-0438
DOI10.2521/jswtb.41.1

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Summary:捺染染色廃水には尿素由来の有機態窒素が高濃度で含まれているため、その窒素除去が大きな課題となっている。我々はポリエステル製不織布を固定化担体とした固定化材を開発し、合成染色廃水の連続硝化・脱窒処理試験を行った。終末処理場の汚泥を用いた場合と染色業の廃水処理設備から採取した汚泥を用いた場合では、硝化率はそれぞれ約22%と約55%になったが、20日以上は安定した処理はできなかった。無機態炭素の添加により、硝化率は約62%にアップしたが、25日以上の安定した処理はできなかった。染料や還元防止剤は硝化・脱窒に大きく影響せず、リン源を添加することにより、100日以上の長期間、安定した高い硝化率を維持することができた。リン酸を含む合成染色廃水を用いると、TNに対し、1.5倍量のTOC源を添加することにより、約56%の脱窒率を達成できた。
ISSN:0910-6758
1881-0438
DOI:10.2521/jswtb.41.1