大正~昭和初期におけるセルフメディケーションとしての配置薬~愛知県の配置販売一個人業者の史料の検討

「1. 緒論」本研究は愛知県の配置販売の個人業者の史料から大正~昭和初期におけるセルフメディケーションとしての配置薬の位置付け, あり方を検討するものである. 近年, 日本の医療費の高騰を背景にセルフメディケーションに対する注目が集まっている. 軽度なうちに自分自身でケアすることによって, 症状が重篤化して医療を必要とする前に予防できることと, スイッチOTCなどをドラッグストア等で購入することで保険医療費を使わないですむ点が医療費の削減につながると考えられているからである. しかし, セルフメディケーションの重要性は医療費削減にあるのではない. 人々が自律してセルフメディケーションを行える,...

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Published in薬史学雑誌 Vol. 55; no. 1; pp. 83 - 91
Main Authors 赤木, 佳寿子, 石居, 人也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬史学会 2020
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ISSN0285-2314
2435-7529
DOI10.34531/jjhp.55.1_83

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Summary:「1. 緒論」本研究は愛知県の配置販売の個人業者の史料から大正~昭和初期におけるセルフメディケーションとしての配置薬の位置付け, あり方を検討するものである. 近年, 日本の医療費の高騰を背景にセルフメディケーションに対する注目が集まっている. 軽度なうちに自分自身でケアすることによって, 症状が重篤化して医療を必要とする前に予防できることと, スイッチOTCなどをドラッグストア等で購入することで保険医療費を使わないですむ点が医療費の削減につながると考えられているからである. しかし, セルフメディケーションの重要性は医療費削減にあるのではない. 人々が自律してセルフメディケーションを行える, つまり, 自分自身で自分の健康をまもることができるということが重要であると筆者は考える. なぜならば, 自分の健康を維持することは本来, 生きる者にとって基本のことである.
ISSN:0285-2314
2435-7529
DOI:10.34531/jjhp.55.1_83