標準的な成人歯科健診プログラムに準じた個別指導による歯科保健行動変容への影響
日本歯科医師会による「標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル」(生活歯援プログラム)は,受診者を類型化し,必要な情報提供や支援をし,行動変容の目標設定を専門家と受診者とが共同で行う参加型の指導である.生活歯援プログラムを評価した先行研究において,歯科保健指導の方法による違いを評価するものは見当たらなかった.本研究では,生活歯援プログラムに準じた個別指導を含む歯科保健指導方法と口腔保健行動変容との関連について評価した.対象を胎内市役所職員200名とし,歯科保健指導の4群(個別指導群,集団指導群,情報提供群,対照群)に分類した.個別指導群は生活歯援プログラムに準じた個別指導を実施し,集...
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| Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 74; no. 2; pp. 99 - 107 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
2024
日本口腔衛生学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI | 10.5834/jdh.74.2_99 |
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| Summary: | 日本歯科医師会による「標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル」(生活歯援プログラム)は,受診者を類型化し,必要な情報提供や支援をし,行動変容の目標設定を専門家と受診者とが共同で行う参加型の指導である.生活歯援プログラムを評価した先行研究において,歯科保健指導の方法による違いを評価するものは見当たらなかった.本研究では,生活歯援プログラムに準じた個別指導を含む歯科保健指導方法と口腔保健行動変容との関連について評価した.対象を胎内市役所職員200名とし,歯科保健指導の4群(個別指導群,集団指導群,情報提供群,対照群)に分類した.個別指導群は生活歯援プログラムに準じた個別指導を実施し,集団指導群は歯科医師による30分の講話を1回実施した.情報提供群は,パンフレット配布と月1回の状況伺いを実施し,対照群は指導を実施しなかった.口腔保健行動の把握には,生活支援プログラム質問紙による調査を,ベースライン時と調査開始3か月後に行った.分析では,従属変数を調査開始3か月後に変容の認められた口腔保健行動とし,独立変数を歯科保健指導方法の4群としてロジスティック回帰分析を行った. その結果,対照群に比較して,個別指導群でのみ歯間ブラシ・フロス使用について望ましい行動変容がみられた.生活歯援プログラムに準じた個別指導は,集団指導および情報提供よりも行動変容の効果が高い可能性が示された. |
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| ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI: | 10.5834/jdh.74.2_99 |