大腸菌のトリガーファクター

トリガーファクター (TF) は細胞質に存在しており, その一部はリボソームのラージサブユニットと1体1の割合で結合している。トリガーファクターは, ペプチジルプロリルイソメラーゼ活性を持ちリボソームによって合成された新生ペプチドと相互作用していることが知られている。しかしながらトリガーファクター遺伝子 (tig) 破壊株は, 強い表現型を示さず長くその細胞内での機能は謎のままであった。近年, DnaKシャペロン破壊株において, tig 遺伝子を破壊することが出来ない (条件致死性) という表現型が発見された。これが突破口になり, トリガーファクターの細胞内での機能が徐々に明らかになりつつある...

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Published in日本細菌学雑誌 Vol. 57; no. 4; pp. 597 - 605
Main Author 友安, 俊文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本細菌学会 2002
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ISSN0021-4930
1882-4110
DOI10.3412/jsb.57.597

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Summary:トリガーファクター (TF) は細胞質に存在しており, その一部はリボソームのラージサブユニットと1体1の割合で結合している。トリガーファクターは, ペプチジルプロリルイソメラーゼ活性を持ちリボソームによって合成された新生ペプチドと相互作用していることが知られている。しかしながらトリガーファクター遺伝子 (tig) 破壊株は, 強い表現型を示さず長くその細胞内での機能は謎のままであった。近年, DnaKシャペロン破壊株において, tig 遺伝子を破壊することが出来ない (条件致死性) という表現型が発見された。これが突破口になり, トリガーファクターの細胞内での機能が徐々に明らかになりつつある。
ISSN:0021-4930
1882-4110
DOI:10.3412/jsb.57.597