位置再現性の高いカスタムベースレジンの特徴
舌側面形態は複雑で、歯面を直視できないことが多いことから、既製のブラケットをダイレクトボンディングすることが困難である。そのため、現在までに様々なブラケットポジショニングの方法やインダイレクトボンディングシステムが開発されてきた。しかし、トランスファートレーやコアを用いた方法は、いずれも複雑な技工操作が必要で経済的な負担が大きくなるのが現状である。また、複雑な技工操作は、結果としてポジショニングの誤差につながる。適切なポジションにブラケットが接着できていなければ、ワイヤー屈曲の複雑化やブラケットの脱落の可能性が高くなることが考えられる。そのため、トランスファートレーやコアを用いる方法は、いずれ...
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| Published in | 日本舌側矯正歯科学会会誌 Vol. 2011; no. 22; pp. 21 - 29 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本舌側矯正歯科学会
2011
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1883-6216 1884-538X |
| DOI | 10.11284/jjloa.2011.21 |
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| Summary: | 舌側面形態は複雑で、歯面を直視できないことが多いことから、既製のブラケットをダイレクトボンディングすることが困難である。そのため、現在までに様々なブラケットポジショニングの方法やインダイレクトボンディングシステムが開発されてきた。しかし、トランスファートレーやコアを用いた方法は、いずれも複雑な技工操作が必要で経済的な負担が大きくなるのが現状である。また、複雑な技工操作は、結果としてポジショニングの誤差につながる。適切なポジションにブラケットが接着できていなければ、ワイヤー屈曲の複雑化やブラケットの脱落の可能性が高くなることが考えられる。そのため、トランスファートレーやコアを用いる方法は、いずれも治療期間の延長につながるリスクが高いことが推察される。KommonBaseはダイレクトボンディングのため、技工操作が簡便であり、位置再現性の高いブラケットベースを製作することが可能である。KommonBaseを製作する際には保存修復用のフロアブルレジンを流用していたが、fillerの含有量が多いため歯面に残ったレジンの撤去時に、アドヒーシブリムービングプライヤーのチップの破折や患者がその破折片を誤嚥してしまうこと、ディボンディング時の患者の不快感、エナメル質の破壊が起こる可能性が懸念される。このようなリスクを回避するためにKommonBase resinが実用化され、技工操作も簡略化された。そこで、KommonBaseの概要と技工操作、臨床応用について報告する。 |
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| ISSN: | 1883-6216 1884-538X |
| DOI: | 10.11284/jjloa.2011.21 |