卒前教育レベルの管理栄養士のコンピテンシー測定項目の開発

【目的】養成施設卒業時点で到達が必要な専門的実践能力を抽出し,卒前教育レベルの管理栄養士のコンピテンシー測定項目を開発する。 【方法】1)国内外の開発例から枠組みを整理し,管理栄養士のコンピテンシー・モデル(A:基本,B:共通,C:職域別の3層構造)を作成した。2)養成施設卒業時点で到達が必要な専門的実践能力を以下の順序で抽出した。(1)1次抽出:「管理栄養士養成課程におけるモデルコアカリキュラム」の到達目標からモデルのA~Cに相当するコンピテンシー項目を,職域別(臨床栄養,公衆栄養,給食経営管理)に,各分野の専門家パネルが抽出した。(2)2次抽出:1次抽出項目をカード化し,各職域共通の内容や...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 70; no. 1; pp. 49 - 58
Main Authors 小松, 龍史, 中坊, 幸弘, 奈良, 信雄, 長幡, 友実, 赤松, 利恵, 伊達, ちぐさ, 石田, 裕美, 吉池, 信男, 永井, 成美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 2012
日本栄養改善学会
Subjects
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.70.49

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Summary:【目的】養成施設卒業時点で到達が必要な専門的実践能力を抽出し,卒前教育レベルの管理栄養士のコンピテンシー測定項目を開発する。 【方法】1)国内外の開発例から枠組みを整理し,管理栄養士のコンピテンシー・モデル(A:基本,B:共通,C:職域別の3層構造)を作成した。2)養成施設卒業時点で到達が必要な専門的実践能力を以下の順序で抽出した。(1)1次抽出:「管理栄養士養成課程におけるモデルコアカリキュラム」の到達目標からモデルのA~Cに相当するコンピテンシー項目を,職域別(臨床栄養,公衆栄養,給食経営管理)に,各分野の専門家パネルが抽出した。(2)2次抽出:1次抽出項目をカード化し,各職域共通の内容や概念を含む項目を整理,統合したのちにA~Cに再分類した。(3)最終抽出:2次抽出項目から,卒業時点で到達すべき特に重要な項目を抽出し,コンピテンシー測定項目とした。 【結果】1次抽出で582項目,2次抽出で125項目を抽出した。最終抽出により,卒前教育レベルの管理栄養士のコンピテンシー測定項目として,A:基本コンピテンシー(価値観,自己確信,意欲,態度の4項目),B:共通コンピテンシー(管理栄養士業務の基盤として特に重要な専門的実践能力29項目),およびC:職域別コンピテンシー(公衆栄養,臨床栄養,給食経営管理の各職域で特に重要で到達すべき最低限の専門的実践能力7項目)の合計40項目を決定した。 【結論】管理栄養士のコンピテンシー・モデルを作成し,専門家パネルを用いて卒前教育レベルの管理栄養士のコンピテンシー測定項目を開発した。今後は,養成課程4年生の到達度評価や,高い到達度を生み出す要因の分析に活用したい。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.70.49