非同期・蓄積型メディアが訪問看護師と在宅主治医のコミュニケーションと連携に与える効果
山形県鶴岡地区で運用されている、非同期で記録の閲覧性や画像共有に優れた特性を持つメディアが、訪問看護師と在宅主治医のコミュニケーションや連携にどのような効果をもたらしているのかを明らかにすることを目的とした。この地区の主治医と訪問看護師の間で当該メディアを用いて情報共有されている患者(ネットワーク群)17名と、メディア非登録の患者17名(非ネットワーク群)について、14ヶ月分の訪問看護記録と付随するファクスや電子メールの通信記録を遡及的に分析し、情報伝達の頻度やその内容を比較した。また電子メディアの訪問看護師の主観的な効果とその効果がもたらされるプロセスについて検討するため、訪問看護師 9 名...
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Published in | 日本医療マネジメント学会雑誌 Vol. 10; no. 3; pp. 526 - 532 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
01.12.2009
日本医療マネジメント学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1881-2503 1884-6807 |
DOI | 10.11191/jhm.10.526 |
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Summary: | 山形県鶴岡地区で運用されている、非同期で記録の閲覧性や画像共有に優れた特性を持つメディアが、訪問看護師と在宅主治医のコミュニケーションや連携にどのような効果をもたらしているのかを明らかにすることを目的とした。この地区の主治医と訪問看護師の間で当該メディアを用いて情報共有されている患者(ネットワーク群)17名と、メディア非登録の患者17名(非ネットワーク群)について、14ヶ月分の訪問看護記録と付随するファクスや電子メールの通信記録を遡及的に分析し、情報伝達の頻度やその内容を比較した。また電子メディアの訪問看護師の主観的な効果とその効果がもたらされるプロセスについて検討するため、訪問看護師 9 名を対象にインタビュー調査を行った。その結果、訪問看護師から医師への情報伝達回数は、ネットワーク群が計453回、非ネットワーク群301回で、その差は電子的な情報伝達であった。またインタビュー調査から、電子メディアを用いることにより、訪問看護師が主治医へ報告・提案がしやすくなり、利用者に対する理解、知識習得、判断への自信にも寄与していると感じていることが示された。ネットワーク群患者は画像やバイタル変化等より多くの情報がタイムリーに主治医へ伝わっており、このことがタイムリーな処置等ケアの質向上につながっていることも示唆された。 |
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ISSN: | 1881-2503 1884-6807 |
DOI: | 10.11191/jhm.10.526 |