福島第一原子力発電所事故発生後1年未満における訪問看護師としての原子力災害に対する認識

目的:原子力施設立地県(道)において、訪問看護師が、福島第一原子力発電所事故を経験した上で、原子力災害および災害時要援護者への対応について、どのような認識を持ち、対策を検討しているのかを明らかにする。方法:本研究に同意した訪問看護従事者女性3名を対象とし、半構成的面接法による個別面接調査を実施した。面接内容は録音し、逐語録を作成、内容を分析した。結果:カテゴリーとして【震災の経験が風化する危機感】、【これまで以上の災害を想定した対策を実施する必要性】、【震災での課題を体制として整備して行く必要性と困難さ】の3個が得られた。大枠として〔これまでの災害に対する認識を改め備える必要性を実感〕に集約さ...

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Published in日本放射線看護学会誌 Vol. 1; no. 1; pp. 43 - 52
Main Authors 村上, 大介, 木立, るり子, 北嶋, 結
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本放射線看護学会 27.03.2013
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ISSN2187-6460
2433-5649
DOI10.24680/rnsj.1.1_43

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Summary:目的:原子力施設立地県(道)において、訪問看護師が、福島第一原子力発電所事故を経験した上で、原子力災害および災害時要援護者への対応について、どのような認識を持ち、対策を検討しているのかを明らかにする。方法:本研究に同意した訪問看護従事者女性3名を対象とし、半構成的面接法による個別面接調査を実施した。面接内容は録音し、逐語録を作成、内容を分析した。結果:カテゴリーとして【震災の経験が風化する危機感】、【これまで以上の災害を想定した対策を実施する必要性】、【震災での課題を体制として整備して行く必要性と困難さ】の3個が得られた。大枠として〔これまでの災害に対する認識を改め備える必要性を実感〕に集約された。結論:福島第一原子力発電所事故後、訪問看護師の認識が大きく変化し、原子力災害対策の課題と実現する困難も認識されていることが明らかになった。時間経過によってこれらの認識が形骸化する可能性があり、その危機感も認識された。変化した認識を繰り返し想起させる必要があることが示唆された。
ISSN:2187-6460
2433-5649
DOI:10.24680/rnsj.1.1_43