姿勢歩行障害と転倒の臨床 重心シフト検査と歩行機能検査による評価

「はじめに」身体は, 前庭覚系と視覚系, 深部知覚系の平衡感覚の入力情報を中枢で処理・統合して反射運動を出力する, 平衡制御システムを有している. 姿勢と歩行の安定化のためには, 脊髄運動系を介する平衡制御システムが適正に作動していることが必要である. しかし, このシステムのどこかに支障が生じると, 姿勢や歩行に異常がでて, 重症化すると転倒をきたすことになる. したがって, このようなケースでは姿勢歩行機能を的確に評価し, 平衡機能を向上させることにより姿勢と歩行を安定化させて転倒防止に努めることが重要な課題となる. そのため, 当科では, めまい平衡障害例に対して, 4方位/側方位重心シ...

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Published inEquilibrium Research Vol. 80; no. 6; pp. 572 - 579
Main Author 山中, 敏彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 31.12.2021
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.80.572

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Summary:「はじめに」身体は, 前庭覚系と視覚系, 深部知覚系の平衡感覚の入力情報を中枢で処理・統合して反射運動を出力する, 平衡制御システムを有している. 姿勢と歩行の安定化のためには, 脊髄運動系を介する平衡制御システムが適正に作動していることが必要である. しかし, このシステムのどこかに支障が生じると, 姿勢や歩行に異常がでて, 重症化すると転倒をきたすことになる. したがって, このようなケースでは姿勢歩行機能を的確に評価し, 平衡機能を向上させることにより姿勢と歩行を安定化させて転倒防止に努めることが重要な課題となる. そのため, 当科では, めまい平衡障害例に対して, 4方位/側方位重心シフト検査 (仮称) とFunctional Gait Assessment (FGA), 歩行速度 (Gait Speed : GS), Timed UP and GO (TUG) などの歩行機能検査を用いて, 姿勢と歩行の制御機能を評価している.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.80.572