下口唇に初期硬結を来した第1期梅毒の1例
梅毒の中で陰部外初期硬結はその約半数が口腔粘膜に見られると言われ, その中でも口唇が最多とされる. 今回われわれは下口唇の初期硬結を来した梅毒患者を経験したので報告する. 本症例は54歳男性で口唇腫瘍の疑いにて近医皮膚科から紹介となった. 血液検査上STS, TPLA共に陽性であり, 梅毒と診断した. 治療はアモキシシリン1,500mg/日の4週投与を行い, 速やかに治癒した. 鑑別診断に上げられれば適切な問診と血液検査で簡単に確定診断可能であるが, 過去の報告では初診医で診断に苦慮した例も少なくない. 口唇梅毒は耳鼻咽喉科外来で遭遇し得る疾患として再度認識しておくべき疾患と考えた....
Saved in:
Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 113; no. 9; pp. 758 - 761 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
2010
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.113.758 |
Cover
Summary: | 梅毒の中で陰部外初期硬結はその約半数が口腔粘膜に見られると言われ, その中でも口唇が最多とされる. 今回われわれは下口唇の初期硬結を来した梅毒患者を経験したので報告する. 本症例は54歳男性で口唇腫瘍の疑いにて近医皮膚科から紹介となった. 血液検査上STS, TPLA共に陽性であり, 梅毒と診断した. 治療はアモキシシリン1,500mg/日の4週投与を行い, 速やかに治癒した. 鑑別診断に上げられれば適切な問診と血液検査で簡単に確定診断可能であるが, 過去の報告では初診医で診断に苦慮した例も少なくない. 口唇梅毒は耳鼻咽喉科外来で遭遇し得る疾患として再度認識しておくべき疾患と考えた. |
---|---|
ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.113.758 |