オフ期の栄養教育が減量期の女子新体操選手の食事改善に及ぼす影響

【目的】大学女子新体操選手を対象にオフ期に実施する栄養教育が減量期のたんぱく質摂取量の低下を防ぎ,貧血発現が予防できる可能性を検討する。 【方法】2009年6月(減量期前)から2010年8月(減量期後)まで協力の得られた14名を対象とした。2010年2月から4月上旬(オフ期)に貧血予防のためのたんぱく質摂取の重要性を講話し,食材購入や調理実習,献立作成演習などを体験させた。調査項目は体重,体脂肪率,貧血指標,エネルギー,たんぱく質,たんぱく質を多く含む食品群の摂取量とし,2009年度と2010年度の減量期前と減量期後に計4回調査した。2009年度の各値は教育実施前の対照値とした。 【結果】減量...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 71; no. 1; pp. 29 - 36
Main Authors 横山, 友里, 日田, 安寿美, 吉崎, 貴大, 川野, 因, 多田, 由紀, 山田, 美恵子, 砂見, 綾香, 木皿, 久美子, 橋爪, みすず, 石崎, 朔子, 小久保, 友貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.02.2013
日本栄養改善学会
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.71.29

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Summary:【目的】大学女子新体操選手を対象にオフ期に実施する栄養教育が減量期のたんぱく質摂取量の低下を防ぎ,貧血発現が予防できる可能性を検討する。 【方法】2009年6月(減量期前)から2010年8月(減量期後)まで協力の得られた14名を対象とした。2010年2月から4月上旬(オフ期)に貧血予防のためのたんぱく質摂取の重要性を講話し,食材購入や調理実習,献立作成演習などを体験させた。調査項目は体重,体脂肪率,貧血指標,エネルギー,たんぱく質,たんぱく質を多く含む食品群の摂取量とし,2009年度と2010年度の減量期前と減量期後に計4回調査した。2009年度の各値は教育実施前の対照値とした。 【結果】減量期前の身体特性,末梢血液一般検査,食物摂取状況は体重,BMI,除脂肪体重,RBCを除き2009年度と2010年度との間に有意な差はみられなかった。2009年度のたんぱく質エネルギー比率,豆類,卵類摂取量は,減量期前に比べ減量期後が有意に減少したが,2010年度は体脂肪率が有意に減少し,卵類摂取量は増加した。減量期の変化量は,教育を行った2010年度が2009年度に比べて体脂肪率は有意な低値を示し,たんぱく質摂取量,たんぱく質エネルギー比率,豆類,卵類摂取量は有意な高値を示した。しかし,Htを除く貧血指標には有意な変化を及ぼすことはなかった。 【結論】オフ期の栄養教育はたんぱく質摂取量の低下を抑制するものの,Htを除く貧血指標には影響を及ぼさないことが示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.71.29