腎臓摘出術時の持続肋間神経ブロックの鎮痛効果

[要旨]手術部位に適した安全で効果的な術後鎮痛方法が求められるようになり, その一つとしてエコーガイド下の各種神経ブロック法が用いられている. 側腹部斜切開による腎臓摘出術に肋間神経ブロックの到達方法でカテーテルを挿入した持続神経ブロックを行い, 胸部持続硬膜外ブロックと疼痛時レスキューの投与回数を比較検討した. 持続肋間神経ブロックは硬膜外ブロックと同等の鎮痛効果が認められた. 「はじめに」硬膜外麻酔およびカテーテル挿入による持続硬膜外ブロックは, その有効性から一般的に用いられてきた. 近年, 術後下肢静脈血栓塞栓症と肺梗塞が発生する危険性が認識され, 早期に抗凝固療法を行うことが勧められ...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 30; no. 7; pp. 980 - 985
Main Author 斎藤, 重行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2010
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.30.980

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Summary:[要旨]手術部位に適した安全で効果的な術後鎮痛方法が求められるようになり, その一つとしてエコーガイド下の各種神経ブロック法が用いられている. 側腹部斜切開による腎臓摘出術に肋間神経ブロックの到達方法でカテーテルを挿入した持続神経ブロックを行い, 胸部持続硬膜外ブロックと疼痛時レスキューの投与回数を比較検討した. 持続肋間神経ブロックは硬膜外ブロックと同等の鎮痛効果が認められた. 「はじめに」硬膜外麻酔およびカテーテル挿入による持続硬膜外ブロックは, その有効性から一般的に用いられてきた. 近年, 術後下肢静脈血栓塞栓症と肺梗塞が発生する危険性が認識され, 早期に抗凝固療法を行うことが勧められている. 麻酔科領域では, 硬膜外麻酔を行った場合に, 硬膜外血腫の発生が危惧されその使用が制限される傾向にある. 最近の急性期術後鎮痛法として, 手術部位や臓器に適した方法で, 麻薬や局所麻酔薬を用い, PCAポンプなど多種を組み合わせた投与形態が用いられ, 硬膜外ブロックと同等の効果がある鎮痛方法が求められている1).
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.30.980