国内外来種として北海道に定着した アズマヒキガエルBufo japonicus formosus の寄生蠕虫類
「要約」 国内外来種化による寄生虫相の変遷を分析するため, 2010年と2011年に旭川市内で捕獲されたアズマヒキガエルBufo japonicus formosusの蠕虫調査をした. その結果, このカエルで既報告の3線虫種と1鉤頭虫種が検出された. 北海道における当該カエル種の調査はなく, 新記録となったが, 寄生蠕虫相は本州に生息していた時の状態をほぼ保持したまま定着していたことが判明した. 外来種として定着した両生類に寄生する蠕虫類が, 在来種にも寄生する可能性が指摘され[1], たとえば, 南西諸島に定着したオオヒキガエルBufo marinusの蠕虫保有状況の調査が展開された[2]...
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Published in | 日本野生動物医学会誌 Vol. 19; no. 1; pp. 27 - 29 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本野生動物医学会
01.03.2014
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Subjects | |
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ISSN | 1342-6133 2185-744X |
DOI | 10.5686/jjzwm.19.27 |
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Summary: | 「要約」 国内外来種化による寄生虫相の変遷を分析するため, 2010年と2011年に旭川市内で捕獲されたアズマヒキガエルBufo japonicus formosusの蠕虫調査をした. その結果, このカエルで既報告の3線虫種と1鉤頭虫種が検出された. 北海道における当該カエル種の調査はなく, 新記録となったが, 寄生蠕虫相は本州に生息していた時の状態をほぼ保持したまま定着していたことが判明した. 外来種として定着した両生類に寄生する蠕虫類が, 在来種にも寄生する可能性が指摘され[1], たとえば, 南西諸島に定着したオオヒキガエルBufo marinusの蠕虫保有状況の調査が展開された[2]. しかし, 本州から北海道に持ち込まれ, 最近, 道央地方を中心に急速に生息域を拡大しつつある国内外来種の両生類について調べられたことはない. 今回は, そのようなカエル類のうち, アズマヒキガエルBufo japonicus formosusの蠕虫類を調べた. |
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ISSN: | 1342-6133 2185-744X |
DOI: | 10.5686/jjzwm.19.27 |