内視鏡的レーザー治療を含む集学的治療が奏効した再発肺癌の 1 例
症例は71歳男性で, 扁平上皮癌のため左肺上葉切除後22か月後に血痰を訴え入院した。気管支鏡所見では左主気管支を閉塞するポリープ状腫瘍を認め, 扁平上皮癌であった。CTでは気管支壁外浸潤やリンパ節腫大を認めず多発癌も考慮されたが, 初回がN_1で2年経過していないため再発肺癌と診断した。これに対する手術は, 手技的に困難な上に低肺機能もあり不可能と判断した。気道の開通が重要と考え, 全麻挿管下にNd-YAGレーザー治療を2回(計29708 J)とOK-432気管支壁内局注を行った。さらに^ Co45Gyを照射し, 全身的にはCDDP+VDSを2クール施行後OK-432皮内投与による免疫療法を継...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 12; no. 4; pp. 434 - 438 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1990
The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.12.4_434 |
Cover
Summary: | 症例は71歳男性で, 扁平上皮癌のため左肺上葉切除後22か月後に血痰を訴え入院した。気管支鏡所見では左主気管支を閉塞するポリープ状腫瘍を認め, 扁平上皮癌であった。CTでは気管支壁外浸潤やリンパ節腫大を認めず多発癌も考慮されたが, 初回がN_1で2年経過していないため再発肺癌と診断した。これに対する手術は, 手技的に困難な上に低肺機能もあり不可能と判断した。気道の開通が重要と考え, 全麻挿管下にNd-YAGレーザー治療を2回(計29708 J)とOK-432気管支壁内局注を行った。さらに^ Co45Gyを照射し, 全身的にはCDDP+VDSを2クール施行後OK-432皮内投与による免疫療法を継続している。再発より20か月後の現在X線上も内視鏡的にも治癒状態にある。肺扁平上皮癌では中枢気道に多発癌が発生しやすく, 転移再発も含め手術後は早期発見に努める必要がある。また手術不能例でもレーザーをはじめとする集学的治療を行えば, かなりの根治性が期待できると思われた。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.12.4_434 |