7.05T MRI を用いたマウス内耳の観察
「はじめに」 メニエール病は耳鼻咽喉科領域における代表的疾患である. その本態は内リンパ水腫と言われているが, 病態発生のメカニズムは解明されていない. モルモットやヒトにおいて, ガドリニウムを鼓室内投与し内リンパ水腫をMRIで評価した研究が多く報告されている. MRIは骨に囲まれた部位の軟部組織を骨によるアーチファクトを受けずに画像化することが可能である. 内耳全周は側頭骨に被われかつ, 内外リンパで満たされているため, MRIはその内部構造を可視化するのに適している. 近年3Tの装置が実用化され微細な内耳病変が視覚化されている. しかしながらヒトでは倫理的な制約がある. モルモットは全ゲ...
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          | Published in | Equilibrium Research Vol. 74; no. 4; pp. 308 - 312 | 
|---|---|
| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本めまい平衡医学会
    
        2015
     日本めまい平衡医学会  | 
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| ISSN | 0385-5716 1882-577X  | 
| DOI | 10.3757/jser.74.308 | 
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| Summary: | 「はじめに」 メニエール病は耳鼻咽喉科領域における代表的疾患である. その本態は内リンパ水腫と言われているが, 病態発生のメカニズムは解明されていない. モルモットやヒトにおいて, ガドリニウムを鼓室内投与し内リンパ水腫をMRIで評価した研究が多く報告されている. MRIは骨に囲まれた部位の軟部組織を骨によるアーチファクトを受けずに画像化することが可能である. 内耳全周は側頭骨に被われかつ, 内外リンパで満たされているため, MRIはその内部構造を可視化するのに適している. 近年3Tの装置が実用化され微細な内耳病変が視覚化されている. しかしながらヒトでは倫理的な制約がある. モルモットは全ゲノムが解析されておらず, 分子生物学的なアプローチとMRIによる形態学的な検討を組み合わせた実験系の施行は不可能である. 一方, マウスは全ゲノムが解析されており, 実験上の制約も少ないためこの目的には最も適していると考えられる. | 
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| ISSN: | 0385-5716 1882-577X  | 
| DOI: | 10.3757/jser.74.308 |