ステロイドトライアルで診断できたIgG4関連硬化性胆管炎
70歳代, 男性. 顕性黄疸を家族に指摘され近医受診. 総ビリルビン10mg/dL, MRCPにて肝門部領域胆管癌を疑われ当科紹介となった. 既往歴は高血圧と椎骨動脈狭窄症でアスピリン100mg内服中. 当院受診は前医採血2週間後で未ドレナージであったが, 眼球結膜に黄疸を認めなかった. 入院時血液検査では, 肝胆道系酵素の上昇(AST 170U/L, ALT 453U/L, ALP 790U/L, γGTP 598U/L)を認めたが, 総ビリルビンは2.5mg/dLと前医の値より低下していた. CA19-9は108U/mLと高値であったがIgG4は37.1mg/dLと正常値であった. 腹部造...
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Published in | 胆道 Vol. 35; no. 5; pp. 773 - 777 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本胆道学会
31.12.2021
日本胆道学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.35.773 |
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Summary: | 70歳代, 男性. 顕性黄疸を家族に指摘され近医受診. 総ビリルビン10mg/dL, MRCPにて肝門部領域胆管癌を疑われ当科紹介となった. 既往歴は高血圧と椎骨動脈狭窄症でアスピリン100mg内服中. 当院受診は前医採血2週間後で未ドレナージであったが, 眼球結膜に黄疸を認めなかった. 入院時血液検査では, 肝胆道系酵素の上昇(AST 170U/L, ALT 453U/L, ALP 790U/L, γGTP 598U/L)を認めたが, 総ビリルビンは2.5mg/dLと前医の値より低下していた. CA19-9は108U/mLと高値であったがIgG4は37.1mg/dLと正常値であった. 腹部造影CT(門脈相, 冠状断)所見: 肝内胆管の拡張を認め, 肝門部胆管に造影効果をともなう壁肥厚所見を認めた. 上流側の右前区域枝・後区域枝合流部に進展所見を認めなかったが, 下流側は肝門部胆管の壁肥厚とは非連続の壁肥厚所見が乳頭近傍の遠位胆管まで認められた. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.35.773 |