CVCIレッドゾーン対応
フェイスマスク,気管チューブ,声門上器具による気道確保と換気がすべて不可能な場合,残された手段は前頚部からの外科的気道確保である.挿管不能・酸素化不能な緊急時,気管へのアクセス経路となる輪状甲状膜の迅速かつ正確な同定は難しい.困難気道が予想される患者では,麻酔導入前に超音波検査で輪状甲状膜をマーキングすることが有用である.輪状甲状膜切開と穿刺の比較では,成功率と所要時間の点で明らかにメスを用いた外科的切開が優れているが,依然麻酔科医は「穿刺」を選ぶ傾向がある.CICOの対処は迅速な決断が不可欠で,麻酔科医は他職種からの積極的な提案(Co-PILOT等)を受け入れる素地を備えるべきである.気道管...
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| Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 38; no. 5; pp. 638 - 645 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床麻酔学会
15.09.2018
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
| DOI | 10.2199/jjsca.38.638 |
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| Summary: | フェイスマスク,気管チューブ,声門上器具による気道確保と換気がすべて不可能な場合,残された手段は前頚部からの外科的気道確保である.挿管不能・酸素化不能な緊急時,気管へのアクセス経路となる輪状甲状膜の迅速かつ正確な同定は難しい.困難気道が予想される患者では,麻酔導入前に超音波検査で輪状甲状膜をマーキングすることが有用である.輪状甲状膜切開と穿刺の比較では,成功率と所要時間の点で明らかにメスを用いた外科的切開が優れているが,依然麻酔科医は「穿刺」を選ぶ傾向がある.CICOの対処は迅速な決断が不可欠で,麻酔科医は他職種からの積極的な提案(Co-PILOT等)を受け入れる素地を備えるべきである.気道管理の流れを同心円状に示したThe Vortexは分岐が多い従来のアルゴリズムよりも理解が容易で緊急時の判断の一助となり得る. |
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| ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
| DOI: | 10.2199/jjsca.38.638 |