医療従事者のHB抗原及び抗体について

医療従事者に対するAustralia抗原(HB抗原)の感染が重要視されてきたので, 本院に勤務する職員のHB抗原及び抗体について検討したので報告する. 対象は本院職員428名で, 血液を取り扱う群と取り扱わない群とに分けて検討した. 検査方法は抗原はIA法, 抗体はPHA法により施行した. 1) 本院における医療従事者のHB抗原陽性率は4%, 特に血液取り扱い群では5%で, 血液非取り扱い群の0.9%. 対照の非医療従事者1.9%, 日本の正常健康人約2%に比し高値を示した. 2) HB抗体も血液取り扱い群29.1%. 非取り扱い群19.0%. 対照の非医療従事者8.8%の間に有意の差を認めた...

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Published in医療 Vol. 29; no. 7; pp. 727 - 729
Main Authors 大岡, 照二, 藤田, 昌弘, 羽間, 収治, 船橋, 修之, 松尾, 重雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1975
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.29.727

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Summary:医療従事者に対するAustralia抗原(HB抗原)の感染が重要視されてきたので, 本院に勤務する職員のHB抗原及び抗体について検討したので報告する. 対象は本院職員428名で, 血液を取り扱う群と取り扱わない群とに分けて検討した. 検査方法は抗原はIA法, 抗体はPHA法により施行した. 1) 本院における医療従事者のHB抗原陽性率は4%, 特に血液取り扱い群では5%で, 血液非取り扱い群の0.9%. 対照の非医療従事者1.9%, 日本の正常健康人約2%に比し高値を示した. 2) HB抗体も血液取り扱い群29.1%. 非取り扱い群19.0%. 対照の非医療従事者8.8%の間に有意の差を認めた. 3) 抗原及び抗体陽性者は, 検査技師及び外科系勤務の医師及び看護婦に多くみられた. 4) HB抗原陽性者17例中の肝炎発症者は3例である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.29.727