RGBカメラを用いた非接触酸素濃度推定技術に関する研究

昨今,新型コロナウイルス感染症の感染拡大が世界的問題となっており,重症化する感染者数も増加傾向にある.そのため,「症状の急性増悪」を評価する一つの指標である「酸素飽和度の低下」を計測することが可能な酸素飽和度計の需要が高まっている.一般的に酸素飽和度を計測する方法として,血液に光を照射した際の吸光量は光の波長と酸素飽和度に依存することを利用した方法が採用されている.現在普及している医療機器のほとんどは,赤外光と赤色光のヘモグロビン吸光特性の違いを利用して酸素飽和度を計測する計測方法を採用しており,自然光などの外乱光を防ぐために接触式のプローブを装着して計測を行う.そこで本研究では赤外光と赤色光...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 400
Main Authors ジョーンズ, マイケル, 本間, 尚樹, 小林, 宏一郎, 佐藤, 敦, 岩井, 守生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.400

Cover

More Information
Summary:昨今,新型コロナウイルス感染症の感染拡大が世界的問題となっており,重症化する感染者数も増加傾向にある.そのため,「症状の急性増悪」を評価する一つの指標である「酸素飽和度の低下」を計測することが可能な酸素飽和度計の需要が高まっている.一般的に酸素飽和度を計測する方法として,血液に光を照射した際の吸光量は光の波長と酸素飽和度に依存することを利用した方法が採用されている.現在普及している医療機器のほとんどは,赤外光と赤色光のヘモグロビン吸光特性の違いを利用して酸素飽和度を計測する計測方法を採用しており,自然光などの外乱光を防ぐために接触式のプローブを装着して計測を行う.そこで本研究では赤外光と赤色光と同様に赤色,緑色,青色にも同様にヘモグロビンの吸光特性に違いがあることに着目し,一般的にスマートホンなどにも搭載されているRGBカメラを用いて酸素飽和度を推定する手法を提案・検討を行った.本手法は,RGBカメラを利用することによりより簡便に計測できる上,非接触で計測できるようになるため現在のニーズに合った計測方法といえる.販売されている医療機器の酸素飽和度計と同時計測を行い提案手法の計測精度を確認した.その結果,非接触でのRGBカメラを用いた酸素飽和度推定が可能であることが示唆されたため報告する.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.400