長期抗結核剤使用患者の胃内視鏡所見

慢性胃炎は臨床的にきわめて多い疾患であり, その原因に関して数多くの要因が推定されているが,1) 近年化学療法の発展に伴いその副作用として消化器と対する影響がしばしば取りあげられてきた. 抗結核剤使用患者についてもその副作用としての胃愁訴が比較的多く, 従来よりPAS, INHなどの副作用として消化器症状が出現することは一般に認められていることであるが, 最近KM, 1314TH, Cs, PZAなどの消化器に対する副作用についても報告されている.2) 抗結核療法を受けている患者はこれらの薬剤を併用している者が多く, したがって消化器症状を訴える者が比較的多いことが予想される. 近年レ線検査法...

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Published in医療 Vol. 21; no. 8; pp. 955 - 959
Main Authors 後町, 洋一, 長川, 和男, 松田, 幹人, 井林, 淳, 田中, 瑞穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1967
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.21.955

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Summary:慢性胃炎は臨床的にきわめて多い疾患であり, その原因に関して数多くの要因が推定されているが,1) 近年化学療法の発展に伴いその副作用として消化器と対する影響がしばしば取りあげられてきた. 抗結核剤使用患者についてもその副作用としての胃愁訴が比較的多く, 従来よりPAS, INHなどの副作用として消化器症状が出現することは一般に認められていることであるが, 最近KM, 1314TH, Cs, PZAなどの消化器に対する副作用についても報告されている.2) 抗結核療法を受けている患者はこれらの薬剤を併用している者が多く, したがって消化器症状を訴える者が比較的多いことが予想される. 近年レ線検査法と並んで胃鏡, 胃カメラなどの診断法が発達, 普及してきたので慢性胃炎の診断がかなり正確に行なわれるようになってきた. その中でも慢性胃炎の診断においては内視鏡的所見が最も客観的に病変をとらえうることは論をまたないところである. 私どもも当療養所に入院中の抗結核剤使用患者の一部につて胃内視鏡検査を行なったので報告する.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.21.955