t-PA時代の脳保護療法―Neurovascular unit保護と血管内皮保護

脳梗塞急性期の治療方針としては,脳血流の改善と脳保護という大きな二つの柱がある.脳血流の改善を目的とする治療としては.わが国でも2005年10月1日より発症3時間以内の超急性期治療としてrt-PAを用いた血栓溶解療法がおこなわれてその有用性は示されつつある.一方,脳保護に関してはフリーラジカルスカベンジャーが世界初の脳保護薬として臨床実地の場で使用されている.これからは,rt-PAを用いた血栓溶解療法と神経細胞保護だけではなく神経細胞,脳微小血管,アストロサイト,ミクログリアを合わせたNeurovascular unit protectionを考えた脳保護療法を併用でおこなうことが大切で,その...

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Published in臨床神経学 Vol. 51; no. 5; pp. 305 - 315
Main Authors 神谷, 達司, 阿部, 康二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2011
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.51.305

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Summary:脳梗塞急性期の治療方針としては,脳血流の改善と脳保護という大きな二つの柱がある.脳血流の改善を目的とする治療としては.わが国でも2005年10月1日より発症3時間以内の超急性期治療としてrt-PAを用いた血栓溶解療法がおこなわれてその有用性は示されつつある.一方,脳保護に関してはフリーラジカルスカベンジャーが世界初の脳保護薬として臨床実地の場で使用されている.これからは,rt-PAを用いた血栓溶解療法と神経細胞保護だけではなく神経細胞,脳微小血管,アストロサイト,ミクログリアを合わせたNeurovascular unit protectionを考えた脳保護療法を併用でおこなうことが大切で,その中でも血管内皮保護療法が重要である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.51.305