画像的に多巣性の進展経過を示した大脳膠腫症の1例

症例は進行性の認知機能障害を呈した77歳女性である.脳MRIでの大脳白質に連続性を有する多発病変と右中小脳脚病変をみとめ,当科を紹介受診した.血液検査および髄液検査では感染症,自己免疫疾患および代謝異常をうたがう所見.脳生検にて,不整形の核をともなう突起の乏しい腫瘍性のアストロサイトをみとめ,経過および画像所見と併せて大脳膠腫症と診断された.大脳膠腫症は境界不明瞭なびまん性の進展様式を示すとされているが,本例のように画像上は多巣性に分布・進展する所見を呈することもあり,注意が必要である....

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Published in臨床神経学 Vol. 51; no. 2; pp. 145 - 148
Main Authors 矢部, 一郎, 佐々木, 秀直, 佐久嶋, 研, 久保田, 佳奈子, 澤村, 豊, 山田, 萌美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2011
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.51.145

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Summary:症例は進行性の認知機能障害を呈した77歳女性である.脳MRIでの大脳白質に連続性を有する多発病変と右中小脳脚病変をみとめ,当科を紹介受診した.血液検査および髄液検査では感染症,自己免疫疾患および代謝異常をうたがう所見.脳生検にて,不整形の核をともなう突起の乏しい腫瘍性のアストロサイトをみとめ,経過および画像所見と併せて大脳膠腫症と診断された.大脳膠腫症は境界不明瞭なびまん性の進展様式を示すとされているが,本例のように画像上は多巣性に分布・進展する所見を呈することもあり,注意が必要である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.51.145