トンガ王国住民におけるA型およびB型肝炎マーカー

“南太平洋地区老化防止に関する総合調査”の一環として,トンガ王国主都ヌクアロハに15年以上居住する30歳以上の149名を抽出し,その血清につきA型肝炎およびB型肝炎ウイルス(HAVおよびHBV)マーカーを測定した. HAVについてはHA抗体を測定し,95.3%という高率にHA抗体を検出した. HBVについては,HBs抗原は6.7%に検出され,検査した8例はいずれもadrであった.10名中3例にHBe抗原,6名にHBe抗体が検出された.10例中1例に肝障害が認められた.HBs抗体は72.5%に,HBc抗体は77.9%に認められ,HBVのいずれかのマーカーが検出されたものは90.6%であった. 以...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in肝臓 Vol. 22; no. 11; pp. 1514 - 1517
Main Authors 倉井, 清彦, 織田, 敏次, 飯野, 四郎, 横野, 靖, 鈴木, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1981
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.22.1514

Cover

More Information
Summary:“南太平洋地区老化防止に関する総合調査”の一環として,トンガ王国主都ヌクアロハに15年以上居住する30歳以上の149名を抽出し,その血清につきA型肝炎およびB型肝炎ウイルス(HAVおよびHBV)マーカーを測定した. HAVについてはHA抗体を測定し,95.3%という高率にHA抗体を検出した. HBVについては,HBs抗原は6.7%に検出され,検査した8例はいずれもadrであった.10名中3例にHBe抗原,6名にHBe抗体が検出された.10例中1例に肝障害が認められた.HBs抗体は72.5%に,HBc抗体は77.9%に認められ,HBVのいずれかのマーカーが検出されたものは90.6%であった. 以上から,トンガ王国住民はHAV, HBVのいずれにも高率に汚染されていることがわかった.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.22.1514